-命にかかわる疾患です。
早めの治療を心がけて下さい ―
喘息(ぜんそく・気管支喘息)とは、気管支に炎症が起こることで息苦しさなどの呼吸器の症状が起こる、慢性のアレルギー疾患です。
喘息を含めたアレルギー疾患の患者数は増加傾向にあります。日本国民の2人に1人はなんらかのアレルギー疾患を持っていることが明らかとなっています。
喘息は子どもだけの病気ではない?
喘息は、子どもだけの病気ではありません。子どものころから喘息を持っている方が、成人後も喘息を患っている場合もあれば、大人になって初めて発症する方もいます。
高齢になると発症しやすい
喘息は、高齢になるほど発症リスクが高くなるとのデータもあります。また、厚生労働省の調査でも、高齢者の喘息患者数が、子どもに次いで多いことが明らかになっています。 そのため、喘息は子どもだけでなく、大人になってからも予防や発症後の治療・対策が必要です。2014年のデータによると、喘息死(喘息による窒息死)の88.4%は65歳以上の高齢者であることから 、高齢者はよりいっそう喘息に気をつける必要があると考えられます。
喘息の症状は、子どもも大人も大きく変わることはありません。炎症により気管支が狭まることによって、以下の症状が起こります。
・咳
・喘鳴(ぜんめい):ゼーゼー、ヒューヒューと音の鳴る呼吸
・たん
・息苦しさ(呼吸困難) など
激しい発作(喘息の症状が急激に悪化した状態)を起こすと呼吸困難に陥ることがあり、その際には、ときに命にかかわることがあります。
夜間や明け方に発作が起こることが多い
喘息は、夜間や明け方に発作が起こることが多いです。発作のために十分に眠ることができないことにより、生活に支障をきたすことがあります。
初期は風邪のあとの咳が長引く、夜間や明け方の息苦しさを自覚することも
喘息の発症初期に、風邪のあとの咳が長引いてなかなか治らない、夜間や明け方になると息苦しくなるという症状を自覚して、受診される方がいます。
このような症状が長く続くようであれば、喘息の可能性があるため病院を受診したほうがよいでしょう。
大人の喘息の治療 吸入ステロイド薬による治療
喘息の主な治療は、吸入ステロイド薬による治療です。軽症から重症まで、年齢にかかわらず、吸入ステロイド薬による治療を行います。継続して治療することにより、ステロイドが気管支の炎症を鎮め、喘息の症状を出にくくします。
気管支拡張剤などを併用することも
吸入ステロイド薬だけでの治療で十分に喘息の症状を抑えられない場合には、気管支拡張剤を併せて使用します。気管支拡張剤は、その名の通り気管支を拡げ、呼吸を楽にします。吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を同時に吸入できるタイプの薬剤も多く使用されています。このほか、重症度により喘息の悪化に関連する炎症物質を抑制する薬剤などを用いることもあります。
喘息患者さんが気をつけるべき日常生活の過ごし方
◎発作が出ていなくても治療を継続する
喘息は、糖尿病や高血圧と同じく慢性の病気です。そのため、自覚症状が出ていても出ていなくても、毎日継続して治療を行う必要があります。患者さんの自己判断で治療をやめてしまうと、症状が悪化したり発作が起きてしまったりすることがあるからです。
もし、治療を続けることが難しい理由があれば、必ず主治医に相談してください。自己判断で治療を中止することは避けましょう。
◎アレルゲンを除去し、清潔を保つ
喘息はアレルギー疾患であることから、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に触れると症状が現れる原因となります。
代表的なアレルゲンには、ホコリやダニ、ハウスダスト、ペットの毛などがあります。そのため、家のなかはこまめに掃除をし、清潔を保つよう心がけるとよいでしょう。
かのう内科クリニックでは、患者様に合った治療をしてまいります。お気軽にご相談ください。
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